普段は問題なく回っている出荷作業が、年末になると急に立ち行かなくなる。食品のネット通販をやっていると、多くの方が一度は経験する場面だと思います。
そして崩れるときは、だいたい同じ場所から崩れます。ここでは、出荷代行をお引き受けする側から見て「詰まりやすいのはここ」という箇所を順に挙げていきます。盆が明けたこの時期なら、まだ手を打てる余地があります。
崩れるのは、たいてい人の手が要る工程です
受注そのものはシステムが処理してくれます。問題は、その後ろにある実際の作業です。
年末に詰まりやすい工程
- ピッキング:注文数が増えると、庫内を歩く回数がそのまま増えます。冷凍庫内での作業は長時間続けられません
- 熨斗・ギフト包装:1件あたりの手数が通常出荷の数倍になります。全体の速度がここで決まってしまうこともあります
- 梱包資材:発泡スチロール箱や保冷剤は、繁忙期に入ってからでは調達が読めなくなります
- 集荷の締め時間:作業が終わっても集荷に間に合わなければ、その日の出荷は翌日に流れます
- 問い合わせ対応:出荷が遅れると連絡が増え、作業の手をさらに取られます
この中で特に見落とされやすいのが、熨斗とギフト包装です。お歳暮の商材が入ると、1件を出すのにかかる時間が普段とまったく変わります。件数だけで能力を見積もると、実際の処理量が想定を大きく下回ります。
冷凍商品は、庫内作業の時間に上限があります
常温の商品なら、人を増やせば処理量は伸びます。ただ冷凍品の場合、作業する場所が−25℃前後の環境です。連続して作業できる時間には限りがあり、単純に人手を足せば比例して伸びる、という性質のものではありません。
ここは自社で出荷をされている方ほど、繁忙期に入ってから気づく部分です。年末の量を自社で受けきれるかどうかは、人数ではなく庫内で使える延べ時間で考えてみてください。
資材と配送は、先に押さえておく
発泡スチロール箱、保冷剤、緩衝材。これらは平常時なら必要なときに手配すれば済みますが、年末は同じことを考える事業者が一斉に動きます。
クール便の集荷枠も同様です。配送会社と、繁忙期の物量の見込みを事前に共有しておくかどうかで、当日の動きやすさが変わります。
解けないまま届けられているか、少量で試す
冷凍で出したものが、届いた時点で緩んでいた。これは商品として成立しなくなるので、繁忙期に量が増えてから発覚すると被害が大きくなります。
保冷剤の量、外装の断熱性、選んだ配送区分。この組み合わせが妥当かどうかは、実際に発送してみないと分かりません。まだ余裕のあるこの時期に、遠方の宛先を含めて少量で試しておくことをおすすめします。商品化の段階でつまずきやすい点は「飲食店の看板メニューをチルド・冷凍で通販に」にもまとめています。
全部を自社で抱えなくてもかまいません
出荷を外部に任せるとなると、丸ごと委託するイメージを持たれることが多いのですが、そうとは限りません。
保管だけ外に出す。梱包までは頼むけれど受注処理は自社で見る。繁忙期の一時期だけ任せる。当社ではこうした部分的なお引き受けもしています。どこがいちばん詰まっているかを整理したうえで、そこだけ外に出す、という考え方で十分です。
在庫が合わない、入出庫が回らない、といった状態そのもののご相談も承っています。実際に在庫差異の原因を一緒に探した「物流コンサルティングの事例」もあわせてご覧ください。今の委託先を残したままで構いません。
よくある質問
食品ECの出荷は、年末にどのくらい増えるものですか?
A. 商材と販路によって差が大きいため、一律の数字は申し上げられません。ただ、お歳暮の需要と年末年始の家庭内消費が重なるため、平常月と同じ体制では回らなくなる事業者様が多い時期です。自社の前年の受注データを月別に並べて、ピークの週と平常週の差を確認しておくことをおすすめします。
出荷作業だけを外部に任せることはできますか?
A. できます。マクティスでは受注処理、ピッキング、検品、梱包、発送まで対応していますが、このうち必要な範囲だけをお引き受けすることも可能です。たとえば保管と梱包だけ、繁忙期の一時期だけ、といった形でもご相談いただけます。
冷凍商品の発送で気をつけることはありますか?
A. 解けないまま届けるための梱包と配送手段の選定が中心になります。保冷剤の量、外装の断熱性、そしてクール便の種類が商品の温度帯と合っているかどうかです。冷凍で出したものが途中で緩むと商品として成立しなくなるため、繁忙期に入る前に少量で実際に発送して確認しておくと安心です。
繁忙期の直前でも出荷代行を依頼できますか?
A. ご相談自体はいつでもお受けしますが、直前になるほど選択肢は狭くなります。商品を実際にお預かりして、荷姿と出荷の手順をすり合わせる時間が必要になるためです。年末の出荷に間に合わせたい場合は、9月から10月にかけてご相談いただくケースが多くなっています。
