保管を外に出すと決めたあと、実際に荷物が倉庫に入るまでには、いくつかの段階があります。ここを知らずに進めると、「思ったより時間がかかった」ということが起こります。
順番としては、問い合わせ、条件のすり合わせ、見積り、試験搬入、運用開始という流れです。以下、それぞれで何が決まるのかを順に見ていきます。
1. 問い合わせ ― 二つ分かれば話は始まる
最初の連絡で必要なのは、何を預けたいのかと、それがどの温度帯なのか。この二つです。
量も期間も出荷方法も、この時点で決まっている必要はありません。これから始める商材なら、決まっていないほうが普通です。むしろ、決まっていない部分をそのまま書いていただいたほうが、こちらから確認すべきことを整理してお返しできます。
マクティスの窓口はお問い合わせフォームのみで、電話番号は公開していません。フォームに書いていただいた内容を確認したうえで、ご連絡します。
2. 条件のすり合わせ ― ここがいちばん時間を使う
次に、荷物の実態を具体的にしていきます。温度帯、荷姿、保管する量、出荷の方法。この四つが決まると、倉庫側で受け入れの段取りが組めるようになります。
荷姿というのは、段ボールの大きさ、1箱に何個入っているか、パレットに積むのか平積みなのか、といった物理的な条件のことです。カタログ上の商品スペックとは別に、倉庫で扱うときの形を確認する作業だと思ってください。ここが曖昧なまま進むと、搬入日に棚が合わないといったことが起こります。
出荷の方法も、この段階で詰めます。まとめて出すのか、1個単位まで割れる必要があるのか。出荷先は事業者か、個人宅への発送か。指示はいつまでに、どういう形で送るのか。ネット通販の出荷を任せる場合は、受注データの受け渡し方法もここで決めます。
3. 見積り ― 条件が揃った時点で出る
すり合わせた条件をもとに、費用をお出しします。保管料だけでなく、入出庫と出荷作業を含めた形です。費用が何で決まるのかは「冷凍倉庫の費用は何で決まるのか」に詳しく書きました。
この段階でまだ数量に幅がある場合は、その幅で複数のパターンをお出しすることもあります。見積りが出てから量が変わるのはよくあることなので、確定していないことを理由に先送りする必要はありません。
4. 試験搬入 ― 少量で一度やってみる
いきなり全量を移さず、少量で一度試すことをおすすめしています。実際に置いてみないと分からないことがあるからです。
試験搬入で出てくることの例
- 荷姿の食い違い:想定していた棚に収まらない、積み上げられない
- 温度の確認:搬入時の温度が保てているか、輸送との受け渡しに問題がないか
- 指示のやり取り:出荷指示の形式や締め時間が実務に合っているか
- 梱包の仕様:保冷剤の量や外装が、届くまで温度を保てているか
数ケース規模のテスト段階からお預かりしている事例は「テスト販売の段階からお預かりした事例」にまとめています。少量から始められることが、この段階ではいちばん助けになります。
5. 運用開始 ― 動き出してからも調整は続く
本格的な搬入が始まってからも、しばらくは調整が入ります。出荷が増えたら締め時間を見直す、季節で量が動くなら置き方を変える、といったことです。
倉庫は預けて終わりではなく、やり取りが続く相手です。だからこそ、条件が変わったときに相談できるかどうかが、実務では効いてきます。
いつ動き出せばいいのか
ここまでの五段階のうち、時間が読めないのは二番目のすり合わせと四番目の試験搬入です。逆にいえば、この二つの分を見込んでおけば予定は立ちます。目安としては一か月前後を確保できると、途中で出てきたことにその場で対処できます。
ただし、繁忙期に向けた預け先探しはこの限りではありません。倉庫側の枠が先に埋まるためで、年末に向けた逆算の考え方は「お歳暮と年末の出荷が重なる前に」に書いています。
つまずきやすいところ
相談を受けていて、進行が止まりやすいのは次の三つです。
ひとつは、条件が全部決まってから連絡しようとして、そのまま時間が過ぎてしまうケース。量も出荷方法も、話しながら決めていけるものなので、決まっていない段階で構いません。
ふたつめは、荷姿の確認を後回しにすること。ここは実物を見ないと詰められない部分で、後から出てくると搬入日がずれます。
みっつめは、食品の許可や表示の準備です。商品として販売するために必要な要件は、商材の種類や製造方法、自治体によって異なります。所轄の保健所へのご確認が前提となる領域ですので、通販を始める段階の方は早めに確認しておいてください。マクティスは許可申請の代行は行っていませんが、保管や出荷の準備はお手伝いできますし、許可に詳しい専門業者をご紹介することもできます。この点は「飲食店の看板メニューをチルド・冷凍で通販に」でも触れています。
よくある質問
倉庫に問い合わせてから、実際に荷物を預けられるまでどのくらいかかりますか?
A. 商材や条件によって幅があります。時間が読めないのは条件のすり合わせと試験搬入の二つで、この分を見込むと目安は一か月前後です。荷姿や温度帯の確認に手間がかかる商材ではもう少しかかることもあります。開始したい時期が決まっている場合は、その日付をお伝えいただければ、そこから逆算してご案内します。
最初に何を伝えればいいですか?
A. 何を預けたいのか、それがどの温度帯なのか、この二点だけで話は始められます。量や期間、出荷の方法が固まっていなくても構いません。むしろ決まっていない部分をそのままお伝えいただいたほうが、こちらから確認すべきことを整理してお返しできます。
いきなり全量を預ける必要はありますか?
A. ありません。少量で試してから本格的に移す進め方をおすすめしています。実際に置いてみないと分からないことがあるためです。荷姿が想定と違った、想定した棚に収まらなかった、出荷の指示のやり取りに調整が必要だった、といったことは試験搬入の段階で出てきます。マクティスは段ボール1ケースからお預かりしているので、小さく始めることができます。
食品を預ける場合、許可や表示の準備は必要ですか?
A. 商品として販売するために必要な許可や食品表示の要件は、商材の種類や製造方法、自治体によって異なります。所轄の保健所へのご確認が前提となる領域ですので、まずはそちらでご確認ください。マクティスは許可申請の代行は行っておりませんが、保管や出荷の準備についてはお手伝いできますし、許可の取得支援を専門とする業者をご紹介することもできます。
